為替市場のタイムライン
一般的な為替市場の1日のタイムラインの説明は検索すればすぐに出てくると思うので、ここでは日々、実際にトレードしている当サイト管理人の独断と偏見による為替市場の1日を解説します。
一般的なサイトと多少時間などがずれている部分もあると思いますが基本的に「為替市場」という物理的な市場があるわけでもなくまた各市場間の時間帯も明確に区切られてる訳ではないのでトレードしていて実際に市場の変わり目だなと感じる体感時間で以降の説明をしていきます。また説明の時間は日本時間で欧米が冬時間(標準時間)の場合です。
6時~8時
朝6時に米国株式市場が終了して為替市場的にはここが1日の終わりであり始まりの時間となります。ダウの引け方にもよりますが基本的にこの時間帯は静かです。 が、ダウ引け後に米国企業の決算発表や格付け会社のレーティング発表などある場合もありその時は結果次第で急激に動く場合がまれにあります。日本のFX会社はメンテナンスに入る時間帯でもあり「○○ショック」等と金融危機の最中にはこの時間帯にストップ狙いでHF等が大暴れすることもあります。市場が薄い時間帯なので何もないか、急激に動くかのどちらかなんですが基本的に静かです。
8時~10時
7時過ぎくらいからぼちぼち日本勢も出てきて本格的に東京時間(東京市場)になります。 為替的には完全に空気ですが日本の指標が8時台に多く発表され、9時から日本株がはじまります。 日本株は主体性が無いので(笑)前日のダウの値を見れば寄り付きの値段はなんとなく想像できますし、まあ大体予想通りの値段で始まることが多いですwww 日本の政策当局者の発言もこの時間からぼちぼちでてきます。朝一番のインタビューってとこでしょうか。9時55分の仲値にむけて取引が活発になっていきます。活発に動くといってもせいぜい上下30~40pipsも動けばいいほうかと。1番よくあるパターンは9時くらいから円安にじわじわ上がっていって仲値決定した瞬間に上昇分を全部戻すというのが鉄板パターンですwwww
10時~11時30分
9時あたりからオーストラリアの指標が発表されますが10時台に発表される場合が多いです。ここの結果が為替はもちろん前場の日本株や10時30分から始まる上海株の値動きに大きな影響を与えます。11時は中国指標の発表時間帯でもあります。
日本株は上海スタート以後は上海の動きに連動して動きます。ほんとに主体性がありません(笑)ここからの時間は日本株よりむしろ上海総合株価指数を見ていく方が為替の取引
的には正解です。日本株は11時30分で前場終了です。
日銀介入がある場合、パターン通りだと9時 9時30分、10時、10時30分 (11時??)
とこの時間帯で入ることが多いです。
11時30分~12時30分
東京時間の隠れ仕掛けゾーン
個人的にはそう呼んでいます。
この時間丁度日本株の休憩時間なんですがここで急激に動くことが多いです。為替と上海株が。
為替が急変したから上海も連られるのか上海が急変したから為替が連られるのかどうかはわかりませんが高値で始まった上海株がこの時間を境に下落、そのまま安値で前場引け・・・・(その逆も)という魔の時間帯です。当然為替も反応します。この前の時間他のオーストラリアの指標ならびに中国の指標の結果も相まって動くので値幅で言えば東京仲値の時より出る印象です。この時間帯は注意が必要です。動き方も東京時間の中では1番早い印象があり呑気にお昼ごはん食べに行けません・・・
12時30~14時
上海株の休憩時間です。日本株の後場開始時間でもあります。
株式関係者はよく「いきなり後場から崩れました・・・」 とか「急激な為替の変動を受けて~」などと言いますが大抵は上記の魔の時間帯の値動きを受けて後場から崩れるというパターンが多いです。上海株が休憩中なので日本株が後場寄りついてからは基本的に為替もそんなに動かない時間帯です。
14時~16時
上海株 後場開始時間。
この時間帯は日本株が15時に大引けしてからの15時~16時の上海株ラスト1時間がアツイです。15時以降から急に為替も浮足立ってきます。
16時近くになると上海株の引け前の値動きと欧州勢の早起き組の参入も相まって値動きがソワソワしてくる時間帯です。東京時間で作ったポジションはこの時間までに手じまってしまうのが理想的です。
16時~21 時
個人的には16時から「欧州時間」という認識です。
いわゆる「16時の人」とはこの時間から参入してくる欧州勢をさす言葉です。
欧州株が17時からスタートしますが為替は16時くらいから欧州勢が参入してきます。
まずここで欧州勢がやることは「東京時間全否定」のストップ狩りでしょう(苦笑)
東京時間で作り込んだ値動きをことごとく否定してきます。上がっていたものは落とし、下がっていたものは買い戻しというそれまでの時間帯の逆をやるのがパターンです。これを大体16時~17時30までにやってしまいます。
まれに、東京の流れと同じ方向に値動きを増幅させることもありますがほとんどが全否定か値動きが無いかのどちらかです。
明らかに東京時間と同じ方向に動くことを期待してのポジショニングは危険です。
17時~19時あたりまでは欧州の指標発表ゾーンや国債の入札などフロー的にも複雑な値動きになります。本流の流れがつかみづらい時間帯でもあり個人的には1番難しい時間帯じゃないかと思っています。あまりこの時間にポジションを取りたくないです・・・。
21時~1時
ここから朝の6時の米国株クローズまで「ニューヨーク時間」と勝手に決めています。
正確には欧州時間でありNY勢が参入し始める時間ですか便宜上ここからが「ニューヨーク時間」という認識です。
いわゆる「21時の人」 が参入してくる時間がこのあたりです。
欧州参入のときと違ってあからさまな全否定は少ないように思います。(全く無い訳ではありませんが・・・)むしろ欧州でできた流れにのって素直に反応することの方が多いです。その後の指標発表時間までは。
NY時間の指標発表時間は大きく分けて3つあります
一つ目が22時30分近辺の時間帯
二つ目が0時近辺の時間帯
三つ目が4時近辺の時間帯 です。
ここでの指標結果によって流れが大きく変わってくるので要注意です。
23時30分には米国株がスタートします。この時間帯が1日のうちで1番参加者多くまた、一番値動きがある時間帯です。為替市場のゴールデンタイムと言われるゆえんです。
1時~2時
ロンドンフィックス
1時がロンドンフィキシング決定時刻ですが個人的には0時30~2時の間が全部「ロンドンフィックス」という認識です。だいたい0時30分ごろから動き方が作為的になってきて明らかにフィックスを意識した動きになっていきます。考え方としては東京仲値と同じでその時刻に向けて取引が膨らんでいくという意味では同じですが仲値が主に円中心の動きに対し、ロンドンフィックスはドル中心・為替市場全体に対する動きになります。イメージとしては6時~翌6時の為替市場の1日の全体を通した仲値といった感じです。
1時30分に欧州株が終了するのでその動きも相まって為替・株式・商品先物・債券と全ての金融商品の売買が膨らむ時間帯です。米国株の値動きがもっとも盛り上がる時間帯の1つでもあります。
ロンドンフィックスの値動きはっきりいって予測不可能です(苦笑)
この時間になってみないと正直わかりません。円安になる傾向が多い東京仲値との決定的に違うのはその点です。それまでの流れを増幅させる場合もあればひっくり返す場合もあります。値幅もNY時間で指標発表時間帯をのぞいて一番出る時間帯です。
デイトレでポジションがある場合、決済する第1タイミングになるところでもあります。
2時~4時
ロンドンフィックスも終わって基本的には静かな時間帯です。
米国株は休憩時間が無いので動き続けていますがこの時間はヨコヨコしてることが多いです。
ただし、フィックス後の2時~3時の間は格付け会社からのレーティング発表が多い時間帯です。金融市場が混乱しているときに国債の格下げなどこの時間帯に重要な発表がされることが多いので注意が必要です。
また、米国債の入札が3時あたりに設定されていることが多いので入札結果次第ではユーロドル、ドル円がいきなり動くこともあります。特にドル円は米国の2年債・10年債に連動して動く傾向がありますのでここで金利が動くと連れて動く場合があります。
5時~翌6時
米国株詐欺上げタイム
真偽のほどはわかりませんが、毎日米国株を見ていると「ラスト1時間のウソくさい騰げ」というものを目撃しますwww。もちろん、その逆もありますが基本的に無理矢理でも上げようとする「お化粧買い」的なものが入る傾向が米国株に関しては強いように感じます。
どの国の株式市場も引け際にかけて売買が膨らむことは普通の事ですがこと米国株式市場に関してはその値動きに作為的なものを感じずにはいられません(笑)
この時間の前にポジションを閉じるのかそれともここの流れを見てからにするか判断に迷う部分ではありますがNY時間第2の決済時間であるという認識です。
それまでの流れをひっくり返すこともありますが基本ダウが無理やり上げる傾向が強いです。
以上が大まかな為替市場の1日のタイムラインです。
この中でのポイントは欧州参入後の「東京時間全否定」と「ロンドンフィックス」です。指標発表などはあらかじめ発表される時間が決まっているので最悪その時間だけはノーポジで様子をみるというやり方もありますが全否定とフィックスは毎日あるにもかかわらずその値動きに一貫性が無いためここの流れを読み間違えると大やけどする場合が多いです。
1日というスパンの中では確実に勝負どころだったり値動きの転換点になりやすい時間帯なのでここ時間をどのように攻略していくかがトレードしていく上で大変重要なポイントになります。
簡単にまとめると
上海株 ↑ 上海株 ↓
欧州株 ↑ 欧州株 ↓
指標良い 指標悪化
米国株 ↑ 商品市場 ↑ 米国株 ↓ 商品市場 ↓
リスク・オン リスク・オフ
上海株 ↓ 上海株 ↑
欧州株 ↑ (アジア全否定) 欧州株 ↓(アジア全否定)
指標良い 指標悪化
米国株 ↑ 商品市場 ↑ 米国株 ↓ 商品市場 ↓
リスク・オン リスク・オフ
上海株 ↑ 上海株 ↓
欧州株 ↑ 欧州株 ↓
指標悪化 指標良い
米国株 ↓ 商品市場 ↓ 米国株 ↑ 商品市場 ↑
指標を嫌気して 指標を好感して
リスク・オフ リスク・オン
パターンを挙げればきりがありませんが基本的に上記のような思考ができるようにニュースなども活用しつつ1日通しての全体の流れをつかむことが大切です。
上記に日本株が記載されていないのは往々にして
日本株 ↓ 日本株 ↑
上海株 ↑ 上海株 ↓
欧州株 ↑ 欧州株 ↓
指標良い 指標悪化
米国株 ↑ 商品市場 ↑ 米国株 ↓ 商品市場 ↓
リスク・オン リスク・オフ
というグローバルな金融市場の流れに逆行することがままあるので為替を見るという観点からは日本株は無視したほうが分かりやすいかもしれません・・・(相対的な日本の地位低下というのは悲しいことですが)
まずは1日が6時~翌6時であるということ。
本流は欧州参入後から(16時から)の流れであること
ロンドンフィックスにむけて取引が膨らむこと
以上3点を頭に叩き込むことから始めましょう。
日常生活での時間の感覚を捨ててこのタイムラインに慣れるまでには結構時間がかかると思いますが体内時計ならぬ金融市場時計を自分の中に入れることはとても大事なことです。
この流れを知っているのといないのでは取引する上ではもちろん最終的な収支にも大きく変わってきます。あくまで為替は「欧米中心・ドル中心という視点で見る 」ということを第一に考えていくべきです。